MOND は膜モデルの特殊ケースだった——gc 幾何平均法則の発見


膜宇宙論・新本線 | MOND と gc 幾何平均法則

MOND は膜モデルの特殊ケースだった——gc 幾何平均法則の発見

膜宇宙論モデル 基準文書 v2.65(重力子内包版・新本線)準拠|2026-09-20 改訂|坂口 忍(坂口製麺所)
※ 2026-08 に版番号系列を再編(旧 v2.29/v3.92 系列を継承)。日付が新しいほうが最新版です。
▶ このページを更新しました(2026-09-20・基準文書 v2.65)

2026-08-31〜09-20 に、理論の内部整合の検証がさらに進みました(基準文書 v2.36〜v2.65)。中心は 2 系統です。(1) 重力子スペクトルと Higuchi 境界——誘導重力(DGP 型)を thick 化した構成では「膜張力が正なら境界は破れない」が偽であること(境界割れは誘導重力に帰属可能)、薄膜と thick を厚みで連続に結ぶ族で最低固有値の閉形式が測定前に固定した予言と一致したこと、境界を割る誘導重力の強さの閾値が閉形式の区間に入ること(読み A で確定・厳格な読みでは判定不能)などが記録されました。閾値そのものの閉形式の導出は判定不能のままです。(2) 膜の力学の拘束構造——四次拘束の閉形式・全拘束のヤコビアン・退化面が空でないこと・ゲージを固定しない共変な解析などが進みましたが、局所自由度の判定語は条件つき確定または判定不能のままです。いずれも理論内の解析であり、新しい観測予言はありません。あわせて、零テストの実行設計(R2)が初めて実行段階に入りました。拘束付きの宇宙再現(Manticore-Local の後験 80 実現)から現在の局所密度は確定した一方、履歴プロキシは「膜の記憶をいつの時代から積むか」という 1 点(要求 C-R2-1)に不定性が絞られ、銀河ごとの星形成史を代理に用いる観測経路で「充足(代理・判定は保留)」となりました(438 銀河中 294 に開始時刻を付与)。零テスト自体はまだ実行されていません。また公開済みの WALLABY Pilot データだけでは零テストは未到達(壁は標本数ではなく角分解能)と判定され、本サーベイ待ちの位置づけは変わりません。本ページの内容(確定核・SSoT・膜固有の証拠になりうる観測経路は零テスト R1 一本)に関わる変更はないため、本文は維持して版スタンプを基準文書 v2.65(2026-09-20)へ更新しました。

▶ 前回の更新(2026-08-30・基準文書 v2.35)

補間則の由来が精密化されました(2026-08-25・R4-b)——simple 型 μ(y) = y/(1+y) は、係数の二重臨界 (c, d) = (1, 2) と容量則 r(ε) = 1 − ε の厳密な帰結で、補間関数を選ぶ自由度は残りません。深部 MOND(√ 型・平坦回転曲線・BTFR)が出るのは (1, 2) の一点のみで、d ≠ 2 は振幅ではなく曲線の形そのものを壊します。ただしこれは「深部 MOND を要求した場合の一意性」であり、第一原理からの導出ではありません。gc 幾何平均法則・縮退(銀河スケールで識別不能)の位置づけは不変です。

▶ 前々回の更新(2026-08-24・基準文書 v2.16)

最大の変更は、弱重力レンズのスリップ署名が撤回されたことです(2026-08-22・AP-5)。旧版はこれを「膜を見分ける第二の柱」に掲げていましたが、ずれを生む応力係数が第一原理から導出できず、現行のレンズ側の主張は「比は 1 のまま」という恒等予言 F5 ただ一つになりました。したがって膜固有の証拠になりうる観測経路は、ボイド銀河のヒステリシス零テスト(R1)一本です。あわせて、s₀ = 0.3515 は較正値であって導出値ではないことを明記し(理論値化=マイルストーン M8 は未達)、T_m の表記を確定核の 2.4492 に統一しました(旧表記の √6 = 2.4495 とは近接しますが一致ではありません)。版番号系列も再編し、版スタンプを基準文書 v2.16(2026-08-24)に統一しました。

銀河の回転曲線を説明する「修正ニュートン力学(MOND)」は、50年以上にわたり経験則として使われてきた。しかしなぜ a₀ という定数が存在するのか、その理由は誰も説明できなかった。膜宇宙論はこの問いに一つの答えを与える——MOND は膜モデルの特殊ケースとして弾性自由エネルギーの平衡条件から解析的に導出される。そして臨界加速度 gc が普遍定数ではなく、膜固有スケール a₀ と局所動力学的面密度 Σdyn の幾何平均として決定されることが SPARC 175銀河で示された。κ≈0(膜剛性ゼロ)により膜は各半径で独立に応答する局所理論として簡素化され、圧力支持系(dSph 31銀河)への拡張では、較正値 s₀ = 0.3515 から決まる s₀(1−s₀) a₀ = 0.228 a₀ が Strigari 普遍加速度と中央値レベルで整合することが確認された。ただしこれは理論の内部整合の記録であって、標準理論との識別(正の証拠)ではない。

① MOND とは何か——そして何が足りなかったか

銀河の外縁部では星がニュートン力学の予測より速く回転する。1983年、ミルグロムはこれを説明するために MOND(修正ニュートン力学)を提唱した。加速度が臨界値 a₀ を下回ると重力が増幅される、という経験則だ。

MOND の補間関数(simple 形):
g_obs = (1/2)·(g_N + √(g_N² + 4·a₀·g_N))
a₀ = 1.2 × 10⁻¹⁰ m/s²(普遍定数として仮定)

強重力域(g_N ≫ a₀):g_obs ≈ g_N(ニュートン的)
弱重力域(g_N ≪ a₀):g_obs ≈ √(a₀·g_N)(増幅)
→ なぜ a₀ がこの値なのか——MOND は答えを持たない

MOND は銀河の回転曲線を驚くほど正確に説明するが、第一原理的な理論的根拠を持たない経験則だ。膜宇宙論はこの欠落を埋めようとする。

② 膜宇宙論の公理系——条件1〜10

膜宇宙論は10の条件(公理)から出発する。新本線で最重要なのが重力子の帰属である。重力子はこの宇宙(膜)の住人ではなく、膜の外=バルクに住む質量ゼロの重力子であり、膜の幾何(braneworld 的な折り目)が重力の見かけを決める。

条件7〜9(重力子の帰属・新本線)

条件7(バルクに住む):重力子はこの宇宙の住人ではなく、膜の外=バルクに住む質量ゼロの重力子である。
条件8(内包):膜の折り畳みに、そのバルク重力子が幾何的に内包される。
条件9(解放):超重力状態で膜が展開すると、内包された重力子がバルクへ解放され、余分な重力が現れる。

理論の骨格となる核心条件:

  • 条件4(遮断効果):膜が重力子の力を部分的に遮断する → 重力が電磁気力より 10³⁶ 倍弱い理由。
  • 条件5(AB効果):膜は Aharonov-Bohm 効果でポテンシャルを透過させる → 重力が完全にゼロにならない理由。
  • 条件6(展開トリガー):超重力状態で膜が展開し重力が増大する → 銀河外縁での「余分な重力」の起源。
  • 条件10(二相構造):塑性領域(強く折り畳まれ展開困難)と弾性領域(弱く折り畳まれ展開容易)の二相構造。塑性領域含有量が銀河形成・BH形成を制御するという仮説。
注記

二相構造(条件10)の動力学的定式化 gc,eff(r) は κ≈0 確定により棄却され、概念的仮説(B⁻級)として残る。gc の決定法則(幾何平均法則)は内部整合として確立。BH形成との接続は候補レベル。

③ MOND の解析的導出——膜の臨界条件から

弾性自由エネルギー U(ε;c) の平衡条件から、有効加速度が解析的に導出される。解析解 ε_eq の閉形式が確立され、独立検証残差 10⁻¹³ 以下を確認済み。

弾性ポテンシャル:
U(ε;c) = −ε − ε²/2 − c·ln(1−ε)

平衡条件の解析解:
ε_eq = (−x + √((x+2)²−4c)) / 2 (x = g_N/g_c)

一般化MOND加速度:
g_obs = (1/2)·(g_N + √(g_N² + 4·g_c·g_N))

極限の確認:
g_N ≫ g_c:g_obs ≈ g_N (ニュートン域・膜は大きく展開)
g_N ≪ g_c:g_obs ≈ √(g_c·g_N) (MOND域・膜展開が制限される)

g_c = a₀ を代入 → MOND の simple 補間関数と数学的に完全一致
★ MOND は膜モデルの特殊ケース(g_c = a₀)として解析的に導出される

κ≈0 確定により、この局所平衡 μ(x) = x/(1+x) は
各半径で独立に成立。RMS = 0.090 dex(3003点、167銀河)

これは MOND が「経験則」から「膜の弾性物理から導かれる帰結」として書けることを意味する。同時に、gc = a₀ という仮定が緩められる可能性——つまり gc が銀河ごとに異なりうる——が理論的に開かれた。κ≈0(膜剛性ゼロ)が確定し、膜は空間的な「弾性記憶」を持たず各半径で独立に応答することが判明している。膜ラグランジアンは L ≈ U(ε;c) に簡素化される。

※ この「導出」は理論の内部整合であって、標準MOND/ΛCDM との識別=正の証拠ではない。また 5 次元の完全な膜力学からの導出ではなく、有効記述のレベルの構成である。

④ SPARC 5銀河による観測的検証

SPARC データベース(Lelli et al. 2016, 175銀河)より形態型分散(Sb, Sc, Sd, Sm)と質量分散(v_flat=56-256 km/s)を代表する5銀河を選択し、バリオン速度成分を直接使用してフィットした。フリーパラメータは Υ, v_flat, r_s の3個。

銀河 形態 Υ v_flat [km/s] r_s [kpc] χ²/dof
NGC 3198 Sc 0.96±0.01 119.4±0.7 11.0±0.2 2.99
NGC 2841 Sb 0.45±0.02 256.0±1.6 3.3±0.1 1.60
IC 2574 Sm 1.90±0.07 56.4±3.0 7.7±0.3 1.84
UGC 02885 Sc 1.01±0.03 224.8±5.9 37.2±1.8 1.94
NGC 0300 Sd 1.67±0.08 76.8±1.5 5.5±0.3 1.22

全点で eVobs ≥ 1.0 km/s の下限処理を適用。167銀河に拡張し統計的妥当性を検証済み(χ²/dof中央値 0.70)。

⑤ 核心発見——gc 幾何平均法則

「gc の定量決定」のため、SPARC 175銀河の RAR(Radial Acceleration Relation)から gc を銀河ごとに測定し、バリオン面密度プロキシ G·Σ₀ との関係を解析した。

測定結果:
g_c = η · a₀^(1−α) · (G·Σ₀)^α
α = 0.545 ± 0.041

仮説検定:
α = 0(MOND: g_c = 定数):p = 2.0×10⁻²⁷ 棄却
α = 0.5(厳密幾何平均) :p = 0.27    棄却できない
α = 1(純 G·Σ₀ 比例)  :p = 2.2×10⁻²¹ 棄却

確立した法則:
g_c = η · √(a₀ · G · Σ₀)
ΔAIC = −130(MOND に対し)

幾何平均法則 最終形(確定):
gc = 0.584 × Υd⁻⁰·³⁶¹ × √(a₀ × vflat² / hR)
α = 0.5(固定、最適)|β = −0.361 ± 0.078|η₀ = 0.584
R² = 0.607|scatter = 0.286 dex(固有限界)|LOO scatter = 0.290 dex
素朴MOND棄却:p = 1.66 × 10⁻⁵³

scatter 分解:固有物理分散 0.227 dex (63.5%) + 測定誤差 0.173 dex (36.5%)
固有分散の94%は還元不能な銀河間多様性

α = 0.5 が自然な値である理由は、深MOND極限からの導出によって解決された。x = gN/gc ≪ 1 で展開すると geff ≈ √(gN · gc) となり、フラット回転条件と組み合わせて vflat⁴ = G·Mbar·gc(膜BTFR)が得られる。有限ディスクの gN(r) 構造を考慮すると α ≈ 0.47 が導かれ(p(0.5) = 0.43)、MOND遷移域の寄与を加えて観測値 0.545 と整合する。

α=0.5 の導出鎖:
公理 → U(ε;c) → 平衡条件 → MOND補間
→ 深MOND極限 g_eff ≈ √(g_N·g_c)
→ 膜BTFR: v_flat⁴ = G·M_bar·g_c
→ 有限ディスク: α_deep = 0.471±0.036, p(0.5)=0.43

αの3層構造:深MOND(0.47) + MOND遷移(+0.05) + 残差(+0.02) = 0.54
α=0.5 は「経験則」ではなく深MOND極限の必然的帰結

⑥ MOND の位置づけの変更

幾何平均法則は MOND を否定しない。むしろMOND がなぜ機能するのかの理由を与える。

MOND が成立する条件:
gc = η·√(a₀·G·Σ₀) において
「平均的な銀河」:G·Σ₀ ≈ a₀/η² のとき gc ≈ a₀ → MOND が回収される

MOND からのずれ:
矮小銀河(低 Σ₀):gc < a₀ → MOND より弱い補正
大質量銀河(高 Σ₀):gc > a₀ → MOND より強い補正

矮小銀河の 94% で gc(galaxy) モデルが MOND を改善(ΔAIC = −139)
深MOND逆変換:素朴MOND(gc=定数)を p = 8×10⁻³³(12σ)で棄却

MOND の a₀ は gc の「全銀河平均」——幾何平均法則が MOND を包含する。ただし、これは膜モデル内部で MOND を再現・包含するという内部整合であって、標準 MOND や暗黒物質(ΛCDM)と観測的に区別できることを意味しない(縮退)。

⑦ η の構造——残差が語ること

幾何平均で説明できない残差に相関する変数を解析した。η の導出問題は解決され、η は外部パラメータとして位置づけられた。

最終形のη(確定):
η = 0.584 × Υ_d^(−0.361)
β = −0.361 ± 0.078(LOO検証済み、dAIC = −14.2)

η は proxy 構成要素と完全に無相関:
v_flat: R² = 0.006 / h_R: R² = 0.000 / GΣ₀: R² = 0.009
→ 幾何平均で吸収済みの量は残差に現れない

η の導出は解決された。幾何平均法則と膜BTFR の連立から η = vflat⁴ / [G·Mbar·√(a₀·vflat²/hR)] と構造的に書け、η の Υd 依存性(β ≈ −0.36)は BTFR と幾何平均法則の連立から必然的に生じる。β の値自体は銀河集団の vflat–Υd 相関・I₀–Υd 相関に依存する外部パラメータであり、膜理論が予測すべき量ではない。

⑧ dSph 拡張——圧力支持系への適用と Bernoulli 記述

枠組みは回転支持系(SPARC 渦巻銀河と矮小不規則銀河)で確立された。これを圧力支持系である矮小楕円体銀河(dSph)に拡張すると、質的に異なる体制が現れる——そこでは膜の自発的熱揺らぎが支配的になり、c→0 極限の固有状態から Strigari 普遍加速度と同じ大きさの量が書ける。ただし、その出発点になる s₀ は観測に合わせて定めた較正値であり、この一致は「導出」でも「予言の的中」でもない。

c→0 極限と Bernoulli 記述

c→0 極限の固有膜状態:
s₀ = 1 / (1 + exp(3 / (2 T_m)))

s₀ = 0.3515(確定核の較正値)から決まる従属量:
T_m = 1.5 / ln((1 − s₀)/s₀) = 2.4492
(√6 = 2.4495 とは近接するが一致ではない)

Bernoulli 分散(2状態系の揺らぎ):
Var(s) = s₀ (1 − s₀) = 0.3515 × 0.6485 = 0.228

★ G_Strigari = s₀(1 − s₀) a₀ = 0.228 a₀
= 2.74 × 10⁻¹¹ m/s²(Strigari 普遍加速度と中央値レベルで整合)

dSph 用 g_c 公式:
g_c,dSph(g_bar) = [s₀(1−s₀)]² a₀² / g_bar

s₀ = 0.3515 は「較正値」です

s₀ は観測に合わせて定めた較正値であり、理論から予言された数値ではありません。予言値へ格上げすること(マイルストーン M8)は現在も未達です。したがって 0.228·a₀ と観測の一致は内部整合の記録であって、非自明な予測の的中ではありません。T_m = 2.4492 も s₀ から決まる従属量です。

J3 体制逆転と統一 RAR

膜Jeans質量 M_J,mem と標準Jeans質量 M_J,std の大小関係により、SPARC(回転支持)ではバリオン分布が膜状態を駆動するのに対し、dSph(圧力支持)では M_J,mem ≪ M_J,std(28/31 銀河で確認)となり、因果の方向が逆転する。dSph では gc は Σ₀ ではなく膜固有パラメータ(T_m, a₀)で決定される。

集団 N Υdyn 中央値 体制解釈
SPARC RAR 雲(全半径) 3,389 2.75 バリオン駆動
SPARC 銀河(外側) 175 3(典型) 幾何平均法則の体制
ブリッジ銀河 外側 30 12.76 J3 遷移帯
dSph 31 35.11 膜駆動

Bernoulli 記述の 2集団独立再現

ブリッジ銀河 4個(ESO444-G084, NGC2915, NGC1705, NGC3741)で半径分解解析を実施し、Υdyn(R) が内側から外側へ連続的に増加すること(|z| = 2.4〜21.6)を確認した。

  • 集団1(圧力支持系):dSph 31銀河 gobs 中央値 = 0.240 a₀(較正値比 1.053、5% 一致)
  • 集団2(回転支持系の外縁部):ブリッジ銀河外側 30点 gobs 中央値 = 0.219 a₀(較正値比 0.961、4% 一致)

動力学的支持(圧力 vs 回転)が異なる 2 集団で、単一の値 G = s₀(1−s₀) a₀ が同じように通用する。ただしこれは「較正した一つの値が別系統でも中央値レベルで通用した」という内部整合の記録であって、フリーパラメータなしの非自明予測ではない。s₀ を第一原理で予言値へ格上げすること(M8)が達成されて初めて、そう呼べるようになる。

トートロジー分離

多変量回帰により、gobs の Mbar 独立性(0.2σ null)が膜モデルの非トートロジーな内部帰結として確認された。一方、rh 依存性(−3.4σ)は dSph の σ-size 関係 σ ∝ rh^0.27 に由来し、純粋 Strigari(gobs = 普遍定数)は部分的に棄却される。σ ∝ rh^0.27 スケーリングの第一原理的起源は未解決の開問題。

結論

成果は層で整理できる:

  1. MOND の解析的導出:弾性自由エネルギー U(ε;c) の平衡条件から MOND が特殊ケース(gc = a₀)として解析的に導出される(有効記述のレベル・内部整合)。
  2. gc 幾何平均法則の確立:gc = 0.584·Υd⁻⁰·³⁶·√(a₀·Σdyn)。α=0.5 は深MOND極限から導出。SPARC 175銀河 + LITTLE THINGS 26銀河。scatter 0.286 dex(固有限界)。ΔAIC=−130。
  3. MOND の位置づけ変更:MOND の a₀ は gc の「全銀河平均」。深MOND逆変換で素朴MOND を p = 8×10⁻³³ で棄却。
  4. κ≈0 と理論簡素化:膜剛性ゼロ確定。各半径で μ(x) = x/(1+x) が独立に成立(RMS = 0.090 dex)。膜ラグランジアン L ≈ U(ε;c)。
  5. dSph 拡張と Bernoulli 記述:圧力支持系で J3 体制逆転を発見。較正値 s₀ から決まる Bernoulli 分散 s₀(1−s₀) a₀ = 0.228 a₀ が Strigari 普遍加速度と中央値レベルで整合し、2 独立集団(dSph 5%・ブリッジ 4%)で同じ値が通用する(内部整合の記録・予言の的中ではない)。

MOND は「なぜかうまくいく経験則」ではなくなった、と膜モデルの内部では言える。膜の弾性エネルギーが臨界条件に達する瞬間に gc が存在し、その幾何平均が銀河の回転曲線を支配する。MOND の a₀ はその全銀河平均に過ぎない。矮小銀河では gc が a₀ より小さく、大質量銀河では大きい——この関係は SPARC 175銀河と LITTLE THINGS 26銀河で確認された。scatter 0.286 dex の94%は還元不能な銀河間多様性であり、同じ動力学的面密度を持つ銀河でも膜の折り畳み履歴が異なれば異なる gc を持つ。圧力支持系 dSph への拡張では、バリオン結合が消失する極限で膜は自発的熱揺らぎ s₀(1−s₀) a₀ = 0.228 a₀ を示し、これが Strigari 普遍加速度と同じ大きさになる——ただし s₀ は較正値であり、この対応は内部整合の記録である。

現状の位置づけ(公式見解・SSoT)

重力子内包機構による暗黒物質的現象の説明は理論的再構築の段階にあり、観測による正の証拠は未確立です。膜モデルは銀河スケールの観測を再現できますが、その成功は標準MOND/暗黒物質(ΛCDM)と数学的に区別できません(縮退)。SSoT を動かしうる観測経路は、ボイド銀河のヒステリシス零テスト(R1・WALLABY 本サーベイ待ち)ただ一本です。かつて第二の柱としていた弱重力レンズのスリップ署名は 2026-08-22(AP-5)に撤回され、レンズ側は「比は 1 のまま」という恒等予言 F5(偏差 ≲ 10⁻⁷)へ一本化されました。F5 は膜を見分ける検定ではなく採択構成の反証枠であり、F5 の NULL 観測を支持証拠として扱いません。確定核の数値(s₀=0.3515、gc/a0=s₀(1−s₀)=0.228、a₀=1.2×10⁻¹⁰、T_m=2.4492、幾何平均法則、素朴MOND の棄却)は「形のレベル」で確定・不変ですが、これらは内部整合であって正の証拠ではなく、s₀・T_m は較正値です(予言値への格上げ=M8 は未達)。

旧記述から取り下げ・差し替えた点

  • 弱重力レンズのスリップ署名(2026-08-22・AP-5 で撤回)——ずれを生む応力係数 λ が第一原理から導出できず、採択構成(λ = 0)の下では検定対象そのものが存在しない。現行は恒等予言 F5(比=1)へ一本化。連動して反証点 F1〜F4 は退役。
  • 「Strigari 普遍加速度が第一原理的に導出された」「s₀ = 0.3515=膜の普遍的自発弾性率」「フリーパラメータなしの非自明予測」という表現=修正。s₀ は較正値で、予言値への格上げ(M8)は未達。0.228·a₀ の一致は内部整合の記録。
  • T_m を「√6」と書いていた点=修正。確定核の T_m は s₀ から決まる従属量 2.4492(√6 = 2.4495 とは近接するが別の数)。
  • 旧「重力子は余剰次元に逃げず膜の折り畳みに封じ込められた住人」(旧条件1〜3)を、新本線の条件7〜9(重力子はバルク=膜の外に住む質量ゼロの重力子・折り畳みに内包・展開で解放)へ差し替えた。
  • 「レンズ質量=力学質量のちょうど 3/4」は旧・重い重力子前提のため降格され、さらに上位の slip 路線ごと 2026-08-22(AP-5)に撤回された。「α4≈0 の微調整要求」は撤回。
  • 銀河団スケールの「提案 G=スリップ段差」は約 4.8σ で反証済みのため取り下げた。J-system のA級昇格・publication final 等の内部工程マーケティングは物理の確立度と切り分け、本ページからは落とした。
  • 版スタンプを v2.35(2026-08-30)から現行の v2.65(2026-09-20)へ更新。2026-08-31〜09-20 の理論内解析(基準文書 v2.36〜v2.65)と零テスト実行設計 R2 の前進を反映。確定核・SSoT は不変。
  • 版スタンプを v2.16(2026-08-24)から現行の v2.35(2026-08-30)へ更新。2026-08-24〜08-30 の理論内解析(基準文書 v2.17〜v2.35)を反映。確定核・SSoT は不変。
  • 版スタンプを v2.29(2026-07-04)から現行の v2.16(2026-08-24)へ更新。2026-08 に版番号系列を再編したため、番号は小さくなりますが日付が新しいほうが最新版です。
膜宇宙論モデル 基準文書 v2.65(重力子内包版・新本線、2026-09-20)| 使用データ:SPARC(Lelli et al. 2016)175銀河, LITTLE THINGS(Oh et al. 2015)26銀河, HSC-SSP Y3, Miyaoka 2018, McConnachie (2012) 31 dSph, Walker et al. (2009), Wolf et al. (2010), Collins et al. (2013), Strigari et al. (2008)| 著者:坂口 忍(坂口製麺所、兵庫県宍粟市)
※ 2026-08 に版番号系列を再編しました(旧 v2.29/v3.92 系列を継承)。
確定核(回転曲線 467.7/184.7/170.0 km/s・mu=eps・a₀=1.2×10⁻¹⁰ m/s²・s₀=0.3515・g_c/a₀=0.228・T_m=2.4492)は不変。s₀・T_m は較正値であり、予言値への格上げ(M8)は未達。
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